2006年04月26日 EU外交・安全保障

欧州委員会:フィジーに選挙監視団を派遣

ベニータ・フェッレーロ=ヴァルトナー
© European Community, 2006
欧州委員会のベニータ・フェッレーロ=ヴァルトナー委員。前オーストリア外務大臣。

欧州委員会は、オセアニアのフィジー諸島共和国の招請に応じて、同国に選挙監視団を派遣した。欧州委員会が、中央ヨーロッパ時間19日に発表した。今回の選挙監視団は、EUとしては初めて太平洋地域に派遣する選挙監視団となる。

フィジー諸島共和国は、1874年に連合王国の植民地となったが、コモンウェルス(英連邦)を経て、1970年に独立した。しかし、フィジー系とインド系の対立があり(人口比は51:44)、1987年と2000年に大きなクーデタがあった(いずれもインド系からフィジー系が政権を奪還するクーデタ)。

その後、2001年に選挙があり、今回の選挙は、2000年クーデタ後2度目の選挙にあたる。今回の選挙では、下院の71議席が改選される。選挙は、来月6日から13日まで行われる予定。

欧州委員会のベニータ・フェッレーロ=ヴァルトナー委員(外交・近隣政策担当)は、「フィジーは、過去においては、繰り返し、軍事クーデタ・政治的騒擾・内戦類似状態によって不安定化されてきました。民主政を根づかせるためには、今度の選挙が秩序だって行われ、かつ、この選挙がフィジーのすべての共同体から認められることが不可欠です(Fidschi ist in der Vergangenheit wiederholt durch Staatsstreiche des Militärs, politische Unruhen und bürgerkriegsähnliche Zustände destablisiert worden. Um die Demokratie zu festigen, ist es unabdingbar, dass die bevorstehenden Wahlen ordnungsgemäß durchgeführt werden und dies von allen Gemeinschaften Fidschis anerkannt wird)」と力説した。

選挙監視団の先発部隊はすでに中央ヨーロッパ時間10日に出発しており、今後も選挙に向けて増員される。選挙中は投票や開票を監視し、選挙直後に暫定宣言を出し、その後、詳細な最終報告書を公表する。

EU諸国は、かつて旧宗主国だった経緯から、アフリカ・カリブ海・太平洋諸国(いわゆるACP諸国)に対して特別の関心を有している。