2006年01月30日 EU外交・安全保障

EUがニュージャージー州の死刑停止を歓迎

EU理事会(議長国:オーストリア)は、中央ヨーロッパ時間25日、合衆国ニュージャージー州議会の死刑停止決議を歓迎する声明を発表した。

EUは、かねてから死刑は人権に反すると主張し、死刑制度を非難してきた。現在、EU加盟国においてはすべて死刑が廃止されている。

今月9日、ニュージャージー州議会は、賛成55票、反対21票、棄権2票のの賛成多数で死刑制度の停止を議決した。もっとも、同州においては、1963年以来死刑が執行されておらず、事実上は停止されていた。

合衆国においては、既に12州(ウィスコンシン州・メイン州・ミネソタ州・アラスカ州・ハワイ州・ミシガン州・アイオワ州・ウェストヴァージニア州・ノースダコタ州・マサチューセッツ州・ロードアイランド州・ヴァーモント州)及びコロンビア特別区が死刑を廃止しており、残りの38州で死刑が存続している。このうち、イリノイ州とメリーランド州では、州知事命令により死刑制度が停止されている。

今回の理事会声明は、死刑制度の停止を歓迎する理由として、(1)死刑廃止は、人間の尊厳の強化と人権の発展に貢献すること、(2)いかなる法制度においても、冤罪がないということはありえず、死刑をしてしまったら誤審を覆すことが不可能になること、の二点を挙げている。

この声明には、加盟予定国であるブルガリア、ルーマニア、加盟申請国であるトルコ、クロアチア、マケドニアのほか、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、セルビア・モンテネグロ、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、ウクライナ、モルドヴァが同調した。